はじめに [ INDEX ]日本で販売されているNexstar5には、発売開始から間もないにもかかわらず、日本語マニュアルが付属しています。(作成にあたられた方、ご苦労様です。)しかしながら、米Celestronで配布している英語のPDFマニュアルと比較すると、このマニュアルの出来は今のところそれほど良いとは言えません。おそらく急いで作成した関係もあると思うので、いずれは英語マニュアルと肩を並べるくらい立派なものにだんだん改訂されていくものだと期待しています。Nexstar5とETXの普及により、初心者の望遠鏡購入に拍車がかかるだろうことが予測できる今、マニュアルのターゲットは、まず初心者であるべきではないか、と私は考えます。 ここでは、以下の観点でNexstar5の使い方を説明します。
なお、ここに記載している事項は、私の実経験に基づいたもので、販売元であるタスコジャパンや製造元である米セレストロンには何ら関係がありません。記述の間違い等はご指摘いただければできる範囲で訂正させていただきますが、記述内容の適用については必ずご自分の責任でお願いします。また、製品に付属のマニュアルを併せてご参照ください。 導入編 [ INDEX ]取り出し [ INDEX ]セレストロンの大きな箱(二重になっています)が届いたら、まず落ち着きましょう。届いた今となっては、逃げるものではありませんので、落ち着いて開梱しましょう。私の場合、完全に浮かれてしまって、発泡スチロールからNexstar5を取り出す際にビニール袋で手がすべってしまい、あやうく落としかけました。長い間待ったのにそんなミスで壊してしまっては何にもなりません。もっともそんなバカなことをしそうになるのは私だけかもしれないのですが、念のため。 Nexstar5の持ち方なのですが、必ず黒い部分、つまり鏡筒以外の金属部分を持ちます。これはマニュアルの最初の方に書いてあるのですが、マニュアルを読むより先に取り出してみたいのが人情と思います。箱から取り出す際に一番安定すると思われるのは、台座の左下(フォークアームがない方)の角を左手で、フォークアームの上(コントローラの上)の方を右手で持つ持ち方だと思います。Nexstar5はその見かけにもかかわらず、意外と重い(8kgほど)です。腰を痛めないようにしましょう。(^^; 付属品と本体の確認 [ INDEX ]私の場合は気が急いてしまい、次の段階へ一気に行ってしまったのですが、やっぱり輸入物&高価な買い物なので、一応確認してみた方が良いと思います。本体以外には以下のような付属品がついているはずです。電池はついていません。
次に本体の確認をしましょう。確認するのは、ネジの緩みがないか、すべてのネジがはまっているかです。私の場合、フォーカスノブのベースのネジの3個の内、1個がはまっていませんでした。残りの2個も緩んでガタガタでした。このネジは小さいので、付属のレンチでは締めつけできません。暗闇でネジを落としてしまうとお手上げなので、明るい内によくチェックしてください。保証書には厳密な検査を合格したとあるのですが、この点についてのチェックは行われていないようです。利用されている六角ネジはインチサイズのものですので、普通のDIY店では購入できないもののようです。うーん残念。私の補充用のネジはまだ届きません。早く届くと良いですね。>タスコジャパン様 ただし、どんな場合でも、鏡筒の先の補正版には手で触らないようにしましょう。できればチェックしている間、レンズカバーをしたままというのが良いかもしれません。(実はカバーを外すのは鏡筒を水平にした後ですので、ここでカバーを外している方は、少々あせっているのかもしれません。) 起動と組み立て [ INDEX ]接続と電源ON [ INDEX ]組み立ては鏡筒を水平にした状態で行うことになっています。ただし、鏡筒は手で動かしてはいけないことになっていますので、電源を入れてから操作することになります。Nexstar5の電源は、付属のACアダプタ経由か、単三電池8本です。Nexstar5を外に持ち出そうとする方は、すでに電池を用意なさっているのではないかと思います。私は20本のアルカリ電池を用意していました。(^^; 電池は付属品のようです。私のには付いていませんでしたが。どういうこと? ここで注意!Nexstar5はACアダプタ駆動時に電池が入っているとおかしな動作をすることが報告されています。よって、ACアダプタと電池のいずれかだけで起動することをお勧めします。
いずれにしても、あまり大したことはないようですが、フル電子制御の望遠鏡なので、電源周りの問題を現象だけで判断をしてしまうと後々大問題となりかねないので、注意が必要だと思います。一部で電源プラグの中が溶けたなどとの報告もありますので、最初の電源ON時は離れないようにした方が良いと思います。 ちなみに私のNexstar5はなにげに起動したので、すべて杞憂で終わりました。私の場合、バッテリを別途購入したので、普段は単三電池のお世話になることはないのですが、いざというときの非常用に単三電池をセットしています。ただ、電源の二重供給になってしまうといやなので、電池と電池の間にビニールシート(電池のパッケージを流用)を入れて絶縁しています。不具合はおきていません。 (ML)で読んだのですが、観望中にACアダプタのプラグが抜けた時のバックアップに、電池を利用している方もいるようです。なるほど。二重供給時のトラブルの心配さえなくなれば、そういう使い方もできますね。よく考えてみると、電池とAC/DCプラグは並列の回路になっているでしょうから、大して問題になりそうにありません。ただ、ACアダプタからのバッテリーを利用しているつもりが、電池を使っていたということもあるようですので、ご注意を。上のお勧めとはまったく逆なのですが、最初の導入時にトラブルがあるときっとガッカリする方が多いと思うので、上のお勧めはそのままにしておきます。ある程度の試行期間が過ぎて、問題がなかったら、やってみても良いと思います。ここで改めてトラブルが出はじめるようならやめましょう。元々マニュアルには電池を入れてAC駆動してはいけないと書かれていないですから、保証の範囲ですものね。(2000.10.04改訂) (ML)で得た情報によると、ACアダプタに粗悪品が混じっている場合があり、本来供給されるべき12Vをはるかに超える電圧(14V以上)を出力していることがあるようです。こういう方たちは、バッテリー駆動すると問題がなくなったと報告しています。気になる方は、出力電圧をテスタ等(今は\2、000ぐらいで買えます。でも、持っている方が近くにいますよ。きっと。近所の電気屋さんに持ちこんで頼んでもいいでしょう。)で測定して確認してください。たかだかアダプタで大切な望遠鏡を壊してしますと悲しいです。購入店あるいはタスコジャパンさんに連絡して交換してもらうと良いでしょう。 接続を終えて電源をONすると、ディスプレイにファームウェアバージョンが表示されます。私の場合は、”3.13.13.6”。最新のファームでは表示されないようなのですが、その時の表示内容はまだ分かりません。ここで表示がない場合は電源をOFFにした後、もう一度接続を確認してみてください。電源OFFからONを慌てて行うとうまく起動できないこともありますので、OFFにした後、ゆっくり数を数えてからONにすると良いでしょう。 ファームウェアのバージョン表示の後は、「アラインしなさい」メッセージが流れるのですが、ここでは無視して構わないと思います。さて、いよいよ鏡筒を動かします。コントローラの上矢印ボタンを押して、鏡筒を水平にします。「ウィーン」と好ましいモーター駆動音が聞こえて鏡筒が動き出せば、バッチリです。(もうワクワクですね!) 私は水平にした後も、導電・通電試験として電源を入れっぱなしにしておいて作業を続けましたが、好みの問題だと思いますので、電源を切りたい方、あるいは電池で動かしている方はここで電源を切ってください。 スターポインタの取り付け [ INDEX ]うまく水平に出来たら、マニュアルに従い、スターポインタを取り付けます。簡単に段階を追うと、まず付属のレンチ(大)で鏡筒の右肩(コントローラと反対の方)のネジ二つを外して、このネジを利用してマウンタを取り付けます。マウンタがしっかり取り付けられたら、スターポインタをマウンタに通して、スターポインタのプラスネジを締め込み、取り付け完了です。 何も難しいことはないようですが、私はここでトラブりました。六角レンチがうまく差し込めないのです。よくよく見るとレンチの先が斜めになっていて、うまくフィットしない様子。手持ちのレンチはmmサイズのものなのでどうにもならず、緩めることができません。 しかたなく、六角形のうちの2辺だけを併せて「グッ」とまわしたら、緩んでくれたので良かったのですが、一時途方にくれたのはまだ記憶に新しいところです。取り付け時もこのレンチで締めるしかないので締めたのですが、後で緩んできてしまい暗闇でスターポインタの取り付け・調整をやり直すことになりました。海外製品では日本製ではありえないようなことも起きるのだなあと、しみじみ感じました。タスコジャパンさんには新しいレンチをお願いしたので、いずれ届くとは思います。 なお、今はインチサイズの六角レンチセットを近くのDIY店で購入し(\298)、すべてのネジを増し締めして利用しているので、このような問題は起きていません。 (ML)によると、スターポインタを前後逆に取り付けた方が何人かいらっしゃいました。うまく機能しないという方は、もう一度確認してみてくださいね。ON/OFFスイッチは鏡筒を覗く方向から見ると右側手前になります。(この場合、片持ちフォークは左、スターポインタは鏡筒の斜め右上についてます。)もし間違っていても、気にしないでください。人の数だけ間違いの仕方もあるものです。初心者ならなおさらです。「わかるように作ってくれれば良いのに」と開き直りましょう。(^^; (初心者親子の天体望遠鏡掲示板)で得た情報によると、都会などの明るい空ではあまりうまく機能しないこともあるようです。そういう場合は仕方がないので、ファインダーに付けかえるしかないと思います。ちょっと残念ですね。暗いところまで行けば大活躍なのですが。 スターポインタの調整 [ INDEX ]スターポインタの調整はいくつかのポイントに気をつければ何も難しいことはありません。でも、お出かけ前に一度調整しておくことをお勧めします。
観測位置のメモリー [ INDEX ]導入編の最後になりました。実際に外に持っていく前に、普段観測を行う位置の緯度と経度をNexstarに覚えさせておきましょう。マニュアルの11pにそのやり方が書いてあります。7pから10pまでの説明は、練習と思って室内でも良いので、それらしいことを一通りやっておくと、いざ観測という時にあせらずにすむと思います。私の場合は、ステラナビゲータの場所設定画面から、自分の町の経度緯度を読みとって入力しましたが、カーナビを持っている知人に協力してもらってあらかじめ緯度と経度を教えてもらっておくのも手ではないでしょうか。もちろん、地図帳を引っ張り出してきてみるのも良い手です。 一度覚えさせておけば、次回からそれを選べば良いので、旅行に持っていく時以外は、もう気にすることはありません。もう一つ、これは毎回設定するので覚えておく必要があるのですが、日本はZone15(+09:00)です。これだけは呪文として覚えておいてください。「Zone15」です! さあ、これで初期導入は終了です。運用編へ進んでください。 |