[ HOME ]
ここでは、私のところにみなさんからお寄せいただいたご質問と、そのとき私の回答を元に記述しています。私自身、まだまだ初心者の域を出ていないので、他の方にご意見するというのは自分としては行き過ぎかなぁ、と思っている部分もありますし、あやしい部分も多々あります。何より初心者の方に余計な先入観を植え付けてしまうことになったらどうしようとも思います。もし記述が間違っている部分等ありましたら、ぜひお知らせください。 それぞれの望遠鏡のどこにメリットを見いだすか、というのは、十人十色なので、アドバイスはとても難しいです。結局、自分の経験と感覚でしかお知らせできませんので、「本当にそうかな?」「それはあんまり気にならない」という部分が出てくると思います。なんといっても高い買い物ですから、そういうときは、実物を見て確かめていただくなり、読み飛ばしていただいても全然構いませんので、どうぞよろしくお願いします。 なお、悩んでいるときは実際に覗いてみて比較するのが、一番です。近くの観望会におじゃまして覗かせてもらうといいかもしれません。お住まいがどちらかお知らせいただければ、お近くの知人に相談してみることもできると思いますので、ぜひご検討ください。晴れた週末に長崎まで足をのばしていただければ、朝まででもおつき合いできるのですが...ご旅行などいかがですか?(^^;(連絡先はトップページの一番下にあります) 目次
FAQETX90ECとNexStar4GTはどちらが良いですか? [目次へ]そうですね。NexStarとETXを比較したときに、ソフト面ではETXだと思います。アップデートができる、熟成されているというのは大きな利点です。ただ導入精度という面については、NexStarの方が断然有利だと思います。 ETXをお持ちの方にNexStar5を使ってみていただいた時の感想などを聞いたことがあるのですが、NexStar5の導入精度に驚いたという報告でした。初めからNexStar5を使っている私にとっては、逆に驚きでした。「自動導入」なのに導入できない望遠鏡があるの?という感じです。報告された方がまったくの初心者ではないだけに、信憑性があり、なかなか驚きました。 結局計算のロジックは同じでも、それを実際に導入する場合は筐体の強度が問題となってくるので、普段の使い方であれば、NexStarの方がストレスがなくて良いのではないかな、と思います。 あと、よく聞くのは音の問題です。ETXとNexStarを比較すると、かなり音の大きさが違うようです。NexStar5を初めてみた時には、ほとんどの方が「ETXより全然静かですね」と言います。自宅の庭で観望しているときは隣の家が気になりますし、静かな遠征先で「ガーッ」というのも結構遠慮してしまう部分があったりします。特に静かな遠征先では、NexStarの静かな「カッカッカッ」というトラッキング音だけでも結構響くものです。 なお、方向キーを押したときの反応速度はMeade製のものが良いようです。NS5はちょっともたつきます。DSを使ってみて、そう思いました。NS5もあれぐらいシャープに反応してくれるとよいなぁ。 (2002.02.04補足)S&T Mar.2002によると、ETX105は強度面で従来のETXからかなり改善されたようですね。ETX125も同様とのことでした。ETX125は、リリース後NS5と比較された上での弱点対策としての改善、そして、ETX105と同時期の改良という都合2回の改良を経てきています。こうなると強度の面でのNexStarシリーズの優位性というのは揺らいでくると思います。導入精度も同様に向上していると考えてよいでしょう。ただ、ETX105は最初からなので心配ないのですが、ETX125はどのロットから現在の最新改良型となっているか分かりませんので、要注意ですね。私のETX-ECに関する知識は結局耳学問に過ぎないので、すでにお持ちのユーザさんや親切なショップに相談すると良いと思います。 (2002.02.13補足)ETXのことなら、よしさんのYoshi'sETXSiteとBBSがおすすめです。ETX90 vs NS5も解説してあります。 NexStar4GTとNexStar5の違いは? [目次へ]さて、4GTと5の比較なのですが、実は私はGT全般をオススメしていません。同じNexStarでもGTと5/8は別物と考えた方が良いと思います。 私の耳に入ってくるGTの報告はトラブルがほとんどで、「買ってよかった」というご報告はあまりありません。「動かん」「補正版が接着剤で止まっている」などなど。逆にNS5では「買ってよかった」というご報告が多いです。 私のところの掲示板などを読まれると分かると思うのですが、NS5持ちは自分の望遠鏡を気に入っている方が多いと感じます。買ってしまったからしかたがない、という感じの方にはなかなか会う機会がありません。もし、自分の望遠鏡の欠点ばかりが目について、好きになれないとしたら、とっても悲しいのではないかな、と思います。もちろん、悲しい思いをしている方の場合は掲示板への投稿すらためらわれていると思うので、一概に判断はできませんが。 もちろん、GTのトラブルを把握して、うまく回避できるようになれば、架台の強度の違いを発揮して、ETXよりも4GTの方が導入精度が良いと思いますが...4GTについては、指針となる日本語のHPがあまり立ち上がっていないのもあって、なかなかおすすめするまでには至りません。英語のページではいくつかあります。
というわけで、4GTと5でしたら、迷わず5をオススメします。天文趣味は、望遠鏡購入直後にはアイピースやらアクセサリを購入したくなるので、もうちょっと追加の投資が必要ですが、一旦必要なものが揃ってしまえば、観望時のジュース・夜食代だけで済む趣味だと思いますから、最初に投資する数万円の差でその先何年かの満足度を得られるのであれば、十分検討の余地があると思います。 NexStar5の光学系はどうですか? [目次へ]自動導入望遠鏡のお話しをする場合に、光学系について語る人が少ないのはちょっと意外な点ですので、ちょっと説明しておきますね。ETX90/125のマクストフカセグレン(4GTは覗いたことがありません)も、NS5のSCTも、見え味の違いこそあれ、好みの問題かなというレベルの仕上がりだと思います。口径や光学系の違いだけが違うという感じです。離角の大きな二重星などには中央遮蔽がない小口径屈折の方が強いです。星雲・星団はやはり口径がものをいいます。 感覚的にはNS5は小口径屈折と大口径SCTの中間的な位置で、本当にオールマイティな仕上がりだと思っています。結局大口径であればドブソニアンという選択肢になります。暗い銀河などは眼視で見る場合は20cmでも結構つらいです。 初心者におすすめの自動導入望遠鏡はありますか? [目次へ]ETX90/125ECやNexStar5は言うまでもありませんけれども... ビクセンのViperなども良い選択肢かもしれませんね。専用のスカイセンサーがいくらででてくるのか、お値段的にはちょっと微妙なところなのですが、ETX90/4GTとであれば、十分勝負になる値段になると思います。 LX90ももうちょっと頑張れば購入できるお値段ですし...暗い天体も、という方には、20cmというキーワードは結構大事かもしれません。NS8はバランス的にオススメしません。LX90の方がよいと思います。ここでは詳しくは書きませんので、20cmクラスを再検討されるときにはもう一度お知らせください。 結局どの望遠鏡を購入されても、購入者本人が納得して買うことが大事で、周りの声にまどわされすぎないことです。まずは一本買ってみないことにははじまりませんし、自分が何を求めているのかさえ分からないことの方が多いです。ただ、最初の一本に気合いを入れすぎないことです。もちろん、それは無理な相談だというのも分かっていますが、一生懸命考えた後に一度「肩の力を抜く」ぐらいが適当かもしれません。なんとなく分かっていただけます? 自動導入機能って必要ですか? [目次へ]実際の星見では、自動導入は便利な機能ですが必須の機能ではありません。確かに、私のように一人で導入できない状態で購入するときにはものすごい強みでした。導入できるようになった後でも、やはり便利な機能です。明け方になって、ほとんど星が見えないときや、満月で星がかすんでいるときにはすごく役に立ちます。後はこの自動導入にオーナーさんがそれだけの価値を見いだせるかどうかが判断の鍵となります。そのためにはある程度長く使ってあげないと、もったいない投資になりかねません。 自動導入については、肯定的な意見も否定的な意見も耳にしますが、結局、自動導入は望遠鏡の一機能にしかすぎません。持ち物の機能一つで他人を評価するような狭い視野の持ち主が、純粋に星見を楽しめる心を併せ持っているとは、私には思えません。どのような機材でも星見(自分の趣味)を楽しむ心を持ち続けることが一番大切だと思います。 初心者の方(私もそうです)が、うまく導入できなくて、星見をやめてしまった、というのはよくある話です。それ(あるいはそれに対する不安)を事前に解消するためだけにでも自動導入機能があって良いと、私は思います。もちろん、自動導入機能を持つ望遠鏡は便利なのは間違いありません。どこに楽しみを見いだすかは人それぞれで、自力で導入することに楽しみを見いだしている方もいらっしゃいますし、それはそれで分かる部分もありますし、実際楽しいとも思います。 結局は自分がどう思うかであって、自動導入があるといいなぁ、と強く思える場合は、迷わず自動導入機を選択されてよいと思います。逆にいらないかもと思える場合は無理につけなくてもよい機能だとも思います。うちの場合は、私が風呂に入っている間にまったくど素人の嫁さんが一人で導入して見るという場合もあったりするので、大正解だったと思います。 簡単にいうと、望遠鏡だからといって考えすぎないで、車のオプションのような感覚で選ばれて構わないと思います。カーナビはなくても問題ないけど、あると便利、でも高い。まったく同じようなものです。車は必需品になりつつありますけど、望遠鏡はないと生活できないというものではないというのが唯一違う点だと思います。共通して言えるのは、後から付けようとすると、結構高いなぁ、と感じるという点だと思います。 他のNexStarユーザの声も聞きたいのですが [目次へ]NexStarユーザの率直な声を、購入前にお聞きになりたければ、MLへ加入してお聞きになってみてはいかがでしょうか。下記のアドレスへメールすれば、参加することができます。NexStarユーザ以外の方でもぜんぜん遠慮は要りません。 現在諸事情によりMLの移行期なので、過去のMLでの投稿をお読みになりたければ、旧MLへ参加していただくと良いと思います。その場合は下記のアドレスへメールしてください。両方参加されておくと良いと思います。 NexStar5は彗星や人工天体の追尾ができますか? [目次へ]残念ながら、NS5にはそのどちらの機能もありません。 彗星の位置の自動算出機能はありません。この場合でも、パソコンを 接続してステラナビゲータなどから指示することはできます。ただ、私の 場合は、観望にPCを持って行きませんので、どうするのか説明しておきますね。私が最近観測した彗星はLINEAR A2ですが、以下のようにして導入しました。
人工天体の場合は位置の自動算出機能はありませんし、追尾もかなり難しいと思います。追尾する天体と同じ速度で動かさなければいけないので、NS5の提供する機能では追尾はできないと考えた方がよいと思います。こちらの方はETXが持っていたかどうか定かではありません。確か、SS2000がこのモードを持っていたと思います。オーナーさんに確認してみてください。 確かに上記2点について魅力を感じますが、この2点のためだけに、NS5が選ばれないというのはかなり悲しい話です。NS5の本当のよさはもっとよく使われる部分にあると思います...もちろん、ETX125やLX90も正直よい選択肢だと思いますので、お好きな機種を選ばれるのがよいかと思います。NS-GTあるいはDSは正直ちょっとお勧めできません。 (2002.02.13補足)NS5オーナーさんで人工天体を撮影されているDGPさんのHPはこちら。 ETXとどちらがよく見えますか? [目次へ]NS5の光学系はまさに教科書通りの見え味だと思います。ETX125/90も覗いてみましたけど、こちらも同じように教科書通りでした。シュミカセ・マクストフカセグレンという光学系の特性の違いからF値が違うので、星像の雰囲気が若干違いますが、どちらも優秀な光学系をもっていると思います。簡単にいうとシュミカセは背景がやや明るく素直な星像、マクカセは背景が若干暗く、全体としてしっとりした星像といった具合です。私としてはどちらを手に入れても自信をもってお見せできる光学系だと思えました。 ただ、NS5:F10、ETX125:F14(でしたか?)ということで、低倍率側(星雲・星団・星野)は同じ口径ですと、NS5が若干有利だと思います。高倍率側はいくらでも上げられるのですが、低倍率側は望遠鏡で決まってしまう部分が多いです。あと長焦点のEPは結構高くなる点もお忘れなく。 (注)低倍率については副鏡の影によるものですね。屈折にはそういう限界はないと聞いています。あと、5インチで1000倍などというのは粗悪望遠鏡のキャッチコピーの世界になってしまうので、ここでは考えていません。念のため。 NexStarやETXで撮影はできますか?どちらが向いてますか? [目次へ]撮影の場合はどちらも経緯台なので限界がおのずの見えてくるのですが、あえて比較するとF値が小さいNS5の方が光学系としては有利だと思いますし、シュミカセ用のアクセサリが利用できるので適用範囲も広いと思います。が、私としてはどちらの望遠鏡も架台の方が撮影目的で作られたものではないので、「撮影ができます」とは正直言い切れません。「撮影にもチャレンジできます」ぐらいだと思います。 (2002.02.13補足)NS5オーナーさんで冷却CCDをチャレンジされているhama-sanのHPはこちら。 シュミカセ(SCT)って、光軸調整が必要ですよね? [目次へ]シュミカセの本来の性能を十分に発揮させるためには、時々光軸調整が必要となります。私としてはそれが楽しい部分に思えるので、欠点とは思いません。同じ望遠鏡でも調整すればするほど良い像になるというのは、オーナー心をくすぐる部分だと思います。実際には知り合いのETX90(非EC)オーナーさんはマクストフカセグレンすらも光軸調整したとのことですし、笠井トレーディングのマクカセも調整ネジをもっていると聞いていますので、本当は調整機能を省略しただけなのではないかなぁ、などと考えたりしているところです。副鏡はないので、SCTの副鏡調整とは異なるのは間違いないでしょうけれども。 SCTの光軸調整(副鏡調整)は決して難しくありません。前に一度調整してある望遠鏡であれば、慣れてしまえば数分で微調整できます。もちろん、あーでもないこーでもないと本当に納得できるところまで、とことんまで追い込むときや、補正板を外して洗ったりした、補正板まわしなどを行う場合は別ですが...そういう方はご自分で分かった上でやられていますし、気流がとことん安定してくれないとなかなかやれないことなので、あんまり考えなくても良いと思います。(^^; (2002.02.13補足)SCTの光軸調整のことを分かりやすく解説しているレオポンさんのHPはこちら。 (2003.10.15補足)私なりのノウハウをまとめてみました。こっちも読んでみてね。 シュミカセってマクストフカセグレンや屈折よりダメなの? [目次へ]星○ビに屈折>マクカセ>シュミカセのような文章が掲載されましたが、よく調整されたシュミカセの像はすごく良いと思いますし、前述のようにマクカセとの違いは好みの違いだと私は思います。屈折と比較するなら、色収差がない分きれいな像だと思います。たとえフローライトでも特定の色がにじんでしまうのを避けられないのが実状だと思います。それにSCTのように口径が大きくなってくるとお値段も(まさに)天文学的お値段になってしまいます。ですから、これもどこに重点を置くかというだけの違いだと思いますけど...もちろん同じ口径のフローライトが同じ値段で手に入るならそちらを買った方が良いでしょうし、お金はくさるほどあるという場合は、誰に相談することもなく、好きに選んでよいと思います。私でもMAC90とSKY90が同じ値段で並んでいたら、間違いなくSKY90を選びます。C-5とFS128だと車のスペースと相談しなければいけませんけれども...(^^; |