N5 Extension Bracket

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 TNT Precisionで発売されていたN5 Extension Bracketについて紹介します。現在はhttp://www.buyastrostuff.com/にて発売されています。(最終更新 2003.10.15

目次

N5Extension Bracketとは?

 NS5では適切なアライメント手法をマスターした後は、導入精度のばらつきはそれほど出なくなります。しかし、そのままでしばらく利用していると、追尾性能にばらつきがでてくることに気づくのではないでしょうか。あるときは一時間ほどしても視野の中央にキープされているかと思えば、またある時は見ている間にはずれていく、そんな経験があるのではないかと思います。当初、私は自分がアライメントに慣れていないせいで、うまくセッテイングできていないのだろうと考えていたのですが、すっかり慣れてしまった後でもやはりばらつきがありました。そこでNexStarユーザのみなさんに質問してみたところ、みなさん似たような感じでした。

 ...ということで、そこに着目して自分の例を分析してみると、標準のPL(25mm)を利用しているときは比較的良好なこと、XL(10.5mm)を利用しているときは比較的ずれていきやすいことに気づきました。確かにXLの方が倍率が高いのですが、数分と一時間ということにはなりませんから、結局重たいEPを利用しているときにずれやすいということになります。(改めて考えてみると当たり前なんですけれども、当時は導入にばかり気をとられてしまっていたようです。)すなわち、フォークアーム取付部の前後にかかる重量のバランスが大きく崩れたときに、著しく追尾性能が落ちてしまうという結論になります。

 鏡筒の先の方にモンキーレンチをくくりつけたりして、重りをつけると改善できることまでは確認できたのですが、あくまでも一時的な処置でしたし、鏡筒バンド+重りにするか、鏡筒の下にバーをつけてスライド式のバラストにしようか、迷っていた矢先に、NexStar-MLで、Ray Cooperさんがおもしろい試みをしているのを知りました。それがExtension Bracketです。これはアリミゾと同じように鏡筒を前後にずらしてバランスをとるというものでした。公開している写真を見て、「おお、かっこいい!これにしよう!」と思っていたら、希望者に実費で配布すると言うではありませんか。一躍、注目のアイテムとなりました。

 TNT Precisionで配布していたのは、当初はNS8用だけだったのですが、ちょっと遅れて待望のNS5用の配布もはじまりました。私もすかさず申し込んで一セット手にいれたのですが、諸事情により私の分はまだカナダの友人宅で発送を待ってます(泣)。(まもなく発送予定!もう船の上かな?01/07/24現在)それでレポートもできないなぁ、と考えていたのですが、今回、かめ吉さんがレポートを寄せてくれましたので、つつしんで掲載させていただきます。

ユーザレポート(byかめ吉さん)

tnt01_1.jpg  TNTのプレートは2つの部分で構成されています(図中のAとB)。AにあるノブがBにあるスリット型の溝にはまり込むことにより前後にスライドさせることができます。固定は2本のネジによって行います。
tnt02_1.jpg  A, Bのプレート共に厚みは約6mmです。Bには厚み約10mmのプレートB'が4本のネジで止められており、このプレートB'を介してプレートBがアームの部分に固定されます。なお、重量はAが約125g、B+B'が約310gです。
tnt03_1.jpg  プレートAを鏡筒に取り付けた状態です。1-3の3本のネジで鏡筒と連結されます。4のノブがプレートBのスリット部に挿入され、スライドすることによって鏡筒が前後に移動可能になります。
tnt04_1.jpg  プレートBをアーム接合部に取り付けた状態です。プレートに付属する3本のネジで連結されます(元々鏡筒を連結するために使用されていた3本のネジは使用しません)。
tnt05_1.jpg  装着完了!
  • TeleVue SCT to 2' diagonal/eyepiece adapter
  • TeleVue 2' Everbrite Diagonal
  • TeleVue 2' to 1.25' adapter
  • TeleVue Radian 12 mm
  • Celestron 6x30 Finderscope L.E.R. F/DOB'S (no. 93777) ※取付時、脚加工要。
  • TNT Rick's Screw
tnt06_1.jpg  プレートAには、2箇所に1/4inchネジ穴が切ってあります(2つの赤矢印)。これらはTNTプレートをN5に装着する際には使用しません(何のためのネジなのかは不明です)。これを利用すればカメラ三脚に鏡筒を取り付けることが可能です(小型の三脚ではバランスが取りにくいかも知れません)。また、このネジを利用して別の鏡筒をN5のマウントに載せるととも可能かも知れません。
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[ HOME ][ INDEX ] 撮影&文章:かめ吉さん

ささやかな工夫

ns5_tnt01s.jpg  TNT(当時)のブランケットの効果は絶大なのですが、アクセサリ毎に前後のバランスが取れる点をあらかじめ認識しておかなければいけません。バランス点の割り出しにはDecナットを緩めて調整する必要があるので、観望中には気軽に行うことは難しいと思います。

 そこで観望中に調整できるような工夫をしてみました。簡単な目盛りを作って貼り付けただけなんですけど...(^^; 明るい自宅などであらかじめバランス点を書き込んでおいてセットアップ時に合わせるだけです。

 面倒だったので、CD-Rのラベルをカッターで切って、メンディングテープで貼り付けただけですので、どなたでも簡単にトライできるのではないでしょうか。

ns5_tnt02s.jpg
ns5_tnt03s.jpg 実際のくらやみでの見え方です。白地に黒の方が赤色光との相性がよさそうです。
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ご注意

 現在はhttp://www.buyastrostuff.com/にて発売されています。申し込みが殺到したため、生産が追いつかなくなってしまい、作業してくれるショップを変更したということです。なお、このブランケットを設計して配布しているRayさんは、とても良い人だと思います。このあたりのエピソードはあんまり詳しく書けませんけれども、まず間違いないと思っています。

 最後になりましたが、かめ吉さん、どうもありがとうございました。とっても助かりました。m_ _m


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