これまで、海で危険な目にあってないか、というとそんなことはない。 小3ぐらいのときだろうか。親戚のおばちゃんが職場の旅行で、高浜へ連れて行ってくれた。この高浜ツアー、毎年恒例となっており、遠浅の砂浜がすごく楽し い。もうすぐ着くなぁ、海が見えてきた! あらら、白波が立ってザパーンザパーンと打ち寄せてる。誰も 泳いでない。(あとで考えると、台風が行ったばっかり だったはず。そのおかげでピーカンに晴れてたんだな。) しかたなく、姉と妹と3人で砂浜に下りて遊ぶ。海のそばには行ったらだめよ。分かってる。子ども心 にもそれは無謀だ、と分かってた。三つ下の妹に付き合って、砂遊びをしてた。周りにもたくさんの子どもたち。妹と同じぐらいかな。 そのとき。目のはしに黒いものが見えた。なんだぁ? ドーン! 高波だぁー。 (またかよ by 現在の私) 背中から食らった。あ痛ーっ。いてーな。見る間に引きはじめたその力は小学生の俺にはハンパじゃなかった。砂浜に両手両足を突き立て、必死にこらえる。持って行かれたら 終わりだ!、と思った。 よし、行った。立ち上がろうとしているところで、いち早く立ち上がった姉にグィッと引き起こされた。言葉を交わすことなく、だいぶ海 の方へひきづられていた妹を右と左からひっつかんで、桟敷の階段へ走る。途中、周りでころんでいた子どもたちを次から次に引き起こし手をひっぱりながら 「走れーぇ!」 「早くぅ!」 桟敷の階段を登りきって振り返った途端。 その階段の一番上のちょっと下のところまで ドッッパ−ン! と波が来てた。 ひょえー、こんな ところまで来るのね。 次々とハデに打ち寄せてくる波を見ながら、 「さっきの波がこんなんやったら助からんやったね」と姉。 「確かに」と私。 横で泣きじゃくる妹。 「あんたもう ちょっと早く立ってくれんば」 「立ちよったとこやっか」 「私の方がはやかったよ」 「あんま変わらんやったろうが」 しょうもない意地の張り合い。 いやあ、で も助かってよかった。らっきぃ。 台 風の後の海は怖いことを知った。(学習効果なしだが) 後に大人になってから、三人でこの話をしてたら、二人いないと妹は 助けられんやったろうな、ということで、姉と意見が一致した。 感謝せーよ。>妹 |