NexStarGT ノウハウ

[ HOME ] 最終更新日:2003/10/15


目次


はじめに [ 目次へ ]

 2000年12月、日本でもCelestron NexStarGTシリーズが発売になりました。NexStarGTは、どちらかというと購入しやすい価格帯とその携帯性が一番の特徴だと思います。Meadeからも先行して、DSシリーズというのが出ていますが、架台がそれほどしっかりしておらず、手でさわっただけでずれてしまうといった報告もあります。それと比較してしっかりした架台を備えているNexStarGTシリーズへの期待はとても大きいといってよいと思います。

 ところが、実際に購入してお使いになられた方から今ひとつ導入がうまく行かないといった報告がいくつか寄せられました。先行して発売された海外ではとても良いという報告がいくつか上がっておりますし、本当にうまく動かないのであれば、レビューを行った天文各誌も酷評するはずです。せっかく購入した望遠鏡です。いやな思い出とともに押し入れにしまい込んだりせず、ぜひフル活用して星見ライフを楽しんでいただきたいと思います。それで、及ばずながら、ノウハウをまとめてみました。

2001.07.24更新) なお、NexStarGTのトラブルはほぼ収束したと判断しましたので、NexStarGT掲示板は閉鎖させていただきました。今後はNexStar5掲示板に書き込みいただければ幸いです。


お願い [ 目次へ ]

 私自身はNexStar5のオーナーであり、地方に住んでいる関係で、NexStarGTを実際に見たことも触ったこともありません。このページに記載している内容は、実際にお使いになられている方からの報告や仕入れてきた情報を元に記述しています。もし、記述の間違いを見つけられましたら、ぜひお知らせください。できる範囲で対応させていただきます。また、新たなノウハウを発見された方は、ぜひお知らせください。どんどん更新していけたらと、考えています。最後にお決まりの文句で恐縮ですが、記述内容の適用については必ずご自分の責任でお願いしますまた、製品に付属のマニュアルを併せてご参照ください。


機能の差異について [ 目次へ ]

 NexStarGTシリーズに添付されていたマニュアルや広告には、いろいろな誤記があるようです。米セレストロンでは2000年12月にマニュアルを更新したようですので、ぜひダウンロードして、お手持ちのマニュアルと比較してみてください。ただし、英語です。(^^;

その1.Two-Star-Alignできない。

 マニュアルにしっかり記載されているそうなのですが、この機能はありません。米セレストロンも記述間違いを公式に認めているそうです。

その2.Third-Star-Alignに記述の間違いがある。

 どういう間違いなのか分かりませんが、実際にお使いになっている方から「Third-Star-Alignができません」と報告いただいたので、記述されている使い方が間違っていたのでは?と考えています。また、NS5/8とは異なり、登録されている基準星でしかできないようです。(NS5/8は惑星・衛星以外のオブジェクトならば、どれでもできます。)

その3.データベースは4000個!

 天文雑誌のレビュー記事や広告に記述されていた値と異なり、本当は4000個以上の星の情報が収められているようです。例によって、セレストロンオリジナルのスター番号ですので、これを活用するためには、米セレストロンのサイトからStar Catalogをダウンロードしておかなければなりません。ちなみに、小口径のGTでは必要十二分な数だと思います。単純に計算しても、何しろ毎日20個見ても200日かかることになります。1年のうち100日しか晴れない日本では2年分ですね。(^^;  もちろん、本当はそのような使い方がメインとはなりませんし、他の機種との登録数の違いは、まったく気にする必要はないと思います。280psの車を実際に280psで乗り回す機会なんてほとんどないのとよく似ていますね。カタログスペックというやつです。(^^)


スターポインタ [ 目次へ ]

 まず、最初に報告が寄せられたのは、自動導入でも何でもありません。スターポインタの電池です。この電池と端子の間は、ビニールのシートみたいなもので絶縁してあります。これを取り除かないと、スターポインタのスイッチを回しても、LEDが光ってくれません。(^^;
 組み立てやセッティングの方にばかり注意が行ってしまうので、意外と盲点となっているのかもしれませんね。それでもLEDが光らない場合は、電池を換えてみてくださいね。仕掛けは懐中電灯と同じですから、おそらくそう簡単には壊れないと思いますので、心配しすぎないでくださいね。

 次に、行っていただきたいのは、スターポインタの調整です。できるだけ、夜の屋外へ持ち出す前に明るいところで調整を行っておいてください。500mほど先の街灯を鏡筒+アイピースで見えるようにしてから、スターポインタのLEDがその街灯と重なるように調整を行ってください。慣れないうちにいきなり暗い屋外で調整しようとすると、頭がこんがらがってしまいます。めちゃくちゃ寒い今の時期ならばなおさらです。

 都会の明るい空の下で利用するときは、スターポインタでは役不足かもしれません。この場合は倍率ファインダーと交換することになります。マウントがどういう形か私の方では分からないので、必要な方は購入店に相談してみてください。きっと相談に乗ってくれますよ。デパートなどで購入された方は、雑誌にのっているような専門店に電話をして聞けば、すぐに教えてくれると思います。

 この項の最後は、「スイッチオフを忘れずに!」です。自動でオフにはなってくれないので、気をつけてオフにしないと、痛い目にあいます。私も二度ほど消し忘れました。予備の電池を用意しておくと、(私のように)遠征先であわてることがないと思います。(^^)


Auto Align [ 目次へ ]

 先に述べたように、現在のNexStarGTでは、Two-Star-Alignはできませんので、アライメント(基準となる星の座標を教えて、自動導入できるようにする準備)は、Auto-Alignだけとなります。自動導入機は、これがうまくいけば本当に「自動導入」してくれます。反対にこれがうまく行っていないと、電気が必要な手動導入機となってしまいます。海外からのレポートではそれなりの導入精度を持っているようですので、期待してよいと思います。ぜひ、ご自分の望遠鏡のデキを信じて、お気軽観望をやってみてください。半信半疑で使っていてはちょっとかわいそうですものね。

用意するもの

  • 時計:普通の時計でよいです。
  • 水準器:できればあった方が良いです。(DIY店で\500前後)
  • 方位磁石:なくてもよいです。北極星が見えないところで観望する方や最初から導入精度を上げたい方は使ってください。夜光・オイル式がおすすめです。
  • 観測地の緯度・経度:カーナビ等で調べておいてくださいね。
  • 星図:いくら自動導入機とはいえ、あった方が良いです。ただし慣れて自分の使い方が分かってから購入しても可。
  • 予備の電池:NexStarシリーズは総じて大食いですので、できればポータブルバッテリーか充電可能なやつがお得だと思います。
  • 防寒具:冬は必須ですね。風邪は星見の天敵です。持ち込むと家族にも白い目で見られるし。
  • 懐中電灯:赤いセロファン等を貼っておくと、目にやさしいです。調子にのって通行している車を止めたりしないでくださいね。(^^)
  • 灰皿・ゴミ袋:星見をした後にゴミを残してくるのはマナー違反です。タバコの煙は望遠鏡に全然よくないので、灰皿を持っていって、愛機から離れて吸いましょう。私もヘビースモーカー...やっぱり子供たちにもきれいな自然を残さないと!

 後は必要に応じたものを持っていってくださいね。ただ、暗いところへたくさん持っていくとなくしますので、うまくまとめて、忘れ物には十分ご注意ください。

プリセット

 通常は工場出荷時に設定されているらしいのですが、スイッチを入れて、「Select Model」と表示される場合があるようです。この場合は「UP」「DOWN」でお使いの機種を選択して、「ENTER」を押しましょう。間違えて選択してしまった方は「Utility」メニューの「Model Select」で再設定できるようです。

2001.01.12NEWコプティック星座館さんが、このプリセットを行う時の補足情報をいち早く公開してくれました。(こちらのページ)ぜひ訪ねてみてくださいね。これがきちんと設定されてないと、基準星の導入や観測ができなくなるようです。

(2001.01.14NEW)あらら、最新マニュアルのUtility Featuresの方には掲載されていましたね。60/80の方はAzm、Altともに0726559、114/4の方は1059334だそうです。

アクセサリの取り付け

 NexStar5ではパークポジションというのがあって、通常鏡筒は下向きで収納しています。GTではどうなのでしょうか。まあ、いずれにしても、実際にアライメントに入る前に、アイピース・天頂プリズム・スターポインタなどの必要なアクセサリをあらかじめ取り付けておいてください。アライメントしているときやした後のアクセサリの交換時にずれてしまったりすると、電源を切ってやり直しになってしまいます...

三脚の水平出し

 自動導入ではこれが一番大事といっても良いと思います。これをきちんとやっておかないと、とても痛い目に合いますので、ぜひきっちりとやってください。これをやると、意外と地面が水平でないことに気づくことができます。やはり地球は丸いからでしょうか。(^^) なお、一度セッテイングした後は三脚を決して動かしてはいけません。動かしたら、再度アライメントしなおす必要があります。観望中に三脚を蹴ってずらしてしまっても同様です。そんなときは蹴った自分の足が非常にうらめしくなります。そんなに長いというわけでもないのになぁ。(^^;

Auto-Align(オートアライン)<-最新の英語マニュアルを元に解説しています

基礎データの入力

  1. 電源を入れたら、「ENTER」ボタンを押してアライメントをはじめます。
  2. 「AutoAlign」と表示されていなければ「UP」「DOWN」ボタンで「AutoAlign」を選択して、「ENTER」ボタンを押します。
  3. 「Level The Tube and Towords North」と表示されたら、「方向」キーを使って、鏡筒を北に向け、鏡筒を地面と水平にします。このときの北は北極星の方向でもコンパスの北でも構いません。(正確に言うとどちらも本当の北とはずれています。後述。)気をつけなければいけないのは、鏡筒を北極星へ向けるのではなく、北極星の方向の地平線を向けることです。最初はRATE=9で、微調整はRATE=7で行うと良いと思います。RATEはいつでも「RATE」ボタンで変更することができます。操作が完了したら、「ENTER」ボタンを押します。
  4. 日付と時刻を聞かれるので入力してください。日付は”月/日/年(例:01/07/01)”の順番です。0時から12時までの時間を入力すると、午前か午後か聞かれます。次が「標準時間かサマータイム」です。日本では今のところ標準時間なので「Standard Time」を選択します。次が「タイムゾーン」なので、日本では「Zone15」を選択します。打ち間違えた場合は「UNDO」ボタンで、削除することができますので、緊張する必要はありません。
  5. 「都市名」か「緯度経度」の入力です。あらかじめ調べておいた観測地の経度(Longtitude)と緯度(Latitude)を入力してください。西(W)と東(E)、北(+)と南(-)を間違わないようにしてください。一度入力した位置データはセーブしておくことができます。遠征時などは前もって入力しておくと良いでしょう。(2001.07.24更新) 注:NexStarGTシリーズの位置セーブ機能は正常に動作しません。残念ですが現在のバージョンでは毎回手で入力する必要があるようです。

基準星の導入

 基礎データを入力したら、NexStarは基準星を選択してくれます。その星でよければ、「ENTER」ボタンを押すと、自動的にその星のあると思われる方向を向いてくれます。その星が見えないなどの理由で別の星を選択したいときは「UNDO」ボタンを押します。向いた後でも「UNDO」ボタンで取り消すことができます。動いている最中にキャンセルするときは、「方向キー」を押します。

 星の名前を知らなくても構いません。基準星は常に「周りの星よりも明るい星」です。もちろん、基準星ぐらいはそのうち否が応でも覚えることになりますので、ご安心ください。

 大体最初のうちはその星がピッタリ視野に入ってくることはまずありません。先ほど調節したスターポインタをONにして、近くの明るい星へ向けなおしましょう。スターポインタを使っているときはRATE=7ぐらいが一番操作しやすいと思います。スターポインタのLEDと目的とする星が重なったら、RATE=5ぐらいにして、アイピースから覗きます。目的とする星がアイピースの視野の中央になったら、「ALIGN」ボタンを押して、基準星をセットしましょう。

 引き続き、もう一個の基準星を設定することになります。二つの基準星を設定し終わったら、忘れずに(^^)スターポインタをオフにしましょう。

途中でとまったら...

 アライメントの途中で何のメッセージも表示されない状態で、NexStarGTが止まってしまったら、「RATE」ボタンを押してみてください。何かメッセージが表示されているときは、その指示に従ってください。また、導入の最後は非常にゆっくり動きますから、早合点して割り込みしないようにしてくださいね。


Fake Align [ 目次へ ]

 昼間の太陽観測(専用のフィルタが必要です!絶対にそのままで直視してはいけません!失明します!)や月の観測では、基準星は見えません。そこで、北と水平をできるだけ正確にとった後で、基準星をセンタリングすることなく、Auto-Alignをすすめていくやり方です。Fake-AlignとThird-Star-Alignを組み合わせれば、Two-Star-Alignと近いお手軽な操作性を得ることができると思います。


Third Star Align [ 目次へ ]

 最初の二つの基準星のアライメントだけでは導入精度が悪いときがあります。そういうときに再度基準星を一個ずつ置き換えて精度を上げていく方法です。観望時間が長くなって、設定した基準星が沈んでしまったりしたときも効果があります。実際にはAuto-Alignが済んだ後にすぐ行ってある程度精度を上げるのに一番使います。まさにNexStarユーザの必殺技です。(というか知っていないと使えない!(^^))NS5/8とはやや操作が異なるので要注意です!近所のNS5ユーザが親切に教えてくれそうなときでも、この点だけは早めに逆に教えてくださいね。そうしないと、NS5/8ユーザが恥ずかしがって去っていってしまいます。(^^;

Third-Star-Align

  1. ターゲットとなる基準星に向けて、センタリングを行います。
  2. ターゲットとした基準星を「Named Star」リストから選択します。
  3. 「ALIGN」ボタンを押します。
  4. どちらの基準星と入れ替えるか聞かれるので、入れ替えたい方を選択します。
  5. 「ENTER」ボタンを押して完了。

Auto-Align直後のThird-Star-Align

  1. Auto-Align直後に、二つ目(あるいは一つ目)の基準星をリストから呼び出して導入します。
  2. きちんとアライメントできていれば、きちんとセンタリングされます。
  3. ややずれているようだったら、「方向キー」でセンタリングして、Third-Star-Alignを行います。
  4. 納得のいく精度まで、1〜3を繰り返します。

ノウハウ [ 目次へ ]

  • NexStarシリーズは地平線以下のオブジェクトを指定すると素直にそちらを向いてしまいます。鏡筒が架台等に当たってスリップしてしまうとアライメントをやり直すことになりますので、「まずい!」と思ったら、まず「方向キー」で動作をキャンセルしましょう。
  • NexStar5のノウハウがそのまま使えると思いますので、こちらこちらをどうぞ。

関連リンク [ 目次へ ]


終わりに [ 目次へ ]

 いかがだったでしょうか。まだ見ぬNexStarGTへの想いを込めて、記述してみました。間違っていたら、本当にごめんなさい。NexStarGTシリーズは、その兄貴分に当たるNexStar5/8とよく似ている部分もあれば、まったく異なる部分もあるようです。しかし、所詮は同じメーカーの自動導入機です。NexStar5の使い方も参考になる部分が多いと思います。こちらの方は実経験に基づいて記述していますので、もう少し具体的かもしれません。ぜひ一度腰を落ち着けてゆっくり読んでみてください。何か新たな発見があるかもしれません。では、皆さんのNexStarGTとの星見ライフが、すばらしいものになりますように。

 Clear and dark skies...


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